札幌高等裁判所 昭和27年(う)137号 判決
弁護人は被告人は犯行当時心神喪失の状態にあつたのである然るに原判決において心神耗弱者としたのは事実を誤認したものであつて、この誤審は判決に影響を及ぼすこと明かであるというのであるが、本件記録及び原裁判所で取調べた各証拠に現われている事実並びに当審証人石橋猛雄の証言を綜合して考慮すると被告人は本件犯行当時被告人が心神耗弱の状態にあつたことは認められるけれども心神喪失の状態にあつたことは認めることができない。原判決は被告人が精神分裂病の状態であつたものと認定しながら心神耗弱の状態にあつたものとして処断したのは些か妥当を欠く嫌がないではないが、要するに原審は精神分裂病であることは認められるが心神喪失の状態には至らず心神耗弱状態にあつたものと認めて処断したものと認められるので、原判決には事実誤認の違法はない。論旨は理由がない。
(後略)